ひととき
娘がトライアスロンの大会に出た。5月は毎週末ごとにスポーツの大会がある。
まるで「この季節を待ってました!」のような勢いだ。
しかし体は実はこの強い日差しと冷たい風、気温の高低が激しい中で疲れている。
一説には日本の地震によってベルギーの気候も変わったのだと言う。
マルセイユ、ニースとおてんとうさまの象徴だったような場所が軒並み雨、くもりの天気の中、ブリュッセルは晴天に恵まれている。この先このような現象が続くのだと言う。北極軸が3度変わったとか・・・
でもあと3年ぐらいはこの激しいプレートの動きが元に戻ろうとする働きもあるかもしれないとも言う。
私としては泣いて良いのか笑ってよいのか・・・素直に喜べないベルギーの(晴天)なのだ。
そんな中恒例のOtan-Nato(ヨーロピアンアーミー)の領域の中で行われるトライアスロンの日も朝は薄曇り・・・やれやれ・・と思う間に太陽が顔を出し2時半の出発のころにはカンカン照りの好天気・・・・ということは、かなり走るのも大変だと言う事だ。
12時半に着いて2時半まで待つ。音楽会の雰囲気はよく知っているけれど私はここではまるで素人だ。娘はすでにクラブの人達と一緒にいるから親はすることなし!
芝生に座った。なすべきこともなく本も持ってこなかった・・・
ふと見渡すとデイジーの花園だ。
子供たちが小さい頃公園で遊ばせながら暇つぶしにこの小さな花の王冠を作った。
覚えてるかな?と思いつつ手を動かす。なかなかうまくいかない。
どうやって横にきれいに花を編みこんでいったっけ?
いろいろ試しているうちに娘がやってきたりパパが見に来たり「まだやってるのか?」
こんな時間を持つことも久しぶりだ。
このごろは子供たちも手がかからなくなり食事の時間以外はあまり接することもなくなった。
見守る・・状況はタクシーのごとくスポーツへの送り迎えやら数ある夜の誕生会の送り迎えに眠たい目をこすって夜12時に迎えに行く・・と言う風に変わってきた。
だんだん手が離れてそのうち家を出て行く・・・という当たり前の成長だ。
娘は少し体調が悪かったにもかかわらず健闘して18歳以下のカテゴリーで優勝した!1時間17分の全力投球だ。道中いろいろあったらしい。走りだした時、もう駄目だと思い、体中痛くて棄権しようとしたと言う。
その時そばにいた女の人が「がんばれ!あんたなら年少でまだ可能性がある」と励ましてくれたと言う。
「全て頭の中だね、ママ。もう駄目だと思うとダメだし、先の事考えて『あとであれ食べようかなあ~』とか想像を変えたら走れるようになった」と言う。
ゴールではその女の人の手を取って一緒にゴールイン。いいなあ~~勝負より大事なことがある~~
次の日、息子は「頭痛い」と学校から帰ってきた。珍しいことだ。私がいた時で良かった・・・
頭を触ると火のように熱い。「寝なさい」とベッドに行かせる。
見る見るうちに熱は上がり息は速く、それでも汗が出ないから辛い。39度7分・・・必死になって愉気。
そういえば鼻がしらに熱いタオルをしてみよう。やってみるとほっとしたような顔になる。
後頭部の熱いタオル、電子レンジで熱いタオルを出す時の要領で小さなタオルを熱くして当てる。首が冷えないように。
5分してくると額に汗!「やった!」こうなるとあとは楽になる。
と言ってもそうすぐすべてがうまく行くわけではなく・・・
「ママ一緒に寝て」と言う14歳の息子の言う事聞いて床に布団敷く。
私も実はくたびれていたらしい・・・(苦笑)
地震のあと演奏会、救援コンサート。また日本行き、また救援コンサート。レッスンの多さ。長年所属していた事務所からの移籍のこと。
息子の横で爆睡したのは実は私でした!
次の日はレッスン休みにした。
息子と過ごす時間。テレビコンピューターもない。会話と愉気と・・・
こんな「ひととき」があったなあ~と子供たちが小さい頃の事を思い出した。