クルシュベル通信
早いもので、もう4年目になる。夏、フランス・アルプスでの講習会。今年も沢山の人が参加した。
というより今回は例年になく多人数、さらに国際色も豊かになり、日本人をはじめ、ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、シンガポールからの参加があった。見慣れた顔、初めて会う生徒たち、それぞれに今までやってきた軌跡を見る。
10日間の間に何ができるのか?それはただ単にレッスンをすることだけではない。折にふれて会話する中に私にとっても発見がある。彼らにとってもこれからの何かしらの「きっかけ」になるかもしれない・・・
夜のトランプ大会、いつも行う山登りは・・・日頃の行いが良いのか、今までにないくらいよく晴れた!?!唯一日曜日にレッスンを休みにして朝からゴンドラを乗り継いで上る。
標高2850メートルの山の上は雲ひとつない。くっきり見えるモンブランを背景にトレッキングをするなんて・・・なんという贅沢!
しかしながら、いつもながらの私の「思いつき」に振り回される生徒たち・・・
「lac blue」青い湖・・・があるという。「この間下から登りましたけど、2-3時間でしたよ。ゴンドラの中継地点からだったら1時間かからないですよ」という若くて元気なフランス人の男の子の話をまに受けた私も浅はかだった・・・真夏の雲ひとつない・・・と言ういわば「炎天下」午後2時にそれもだんだん空気が薄くなる2500メートル周辺で、かなり急な山道を歩く羽目になった!行けども行けども続く上り・・・息がきつい。さすがにトライアスロンをやっている道子は、たったったと順調に上って行く。「ママ、もうすぐだよ」
途中で汲んだ小川の水のおいしこと!だんだん歩く列も長くなっていく・・・だましだましついに湖に到着。思ったより小さいが、すきとおった冷たい水に足をひたすとすーっと汗もひく。その中で泳ぐ生徒2名・・・・石を投げる子供たち・・・万国共通の遊び・・・後ろにモンブランがひかえる・・・・ひとときのまどろみ・・
帰りはひたすら石ころだらけの道を一歩一歩ふみしめながら・・・でも「えーいめんどくさいや」と半分走り出した私。子供だったころよく両親にハイキングに連れて行ってもらった。そんな感覚がよみがえる。あのころも走っては止まり、行っては戻り。「もっとゆっくり歩いて行きなさい」と道端の花を愛でる暇もなく走ったものだ!
見れば子供たちは、ずっとはるか下をやはりジグザグの道など無視しての直滑降・・・まっすぐ下りてゆく。性格は遺伝したのかも・・・
そばで「モー」と草をはむ牛の声がきこえる・・カウベルの音・・
道子4か月の時、、スイス・クライネシャイデイックの中継地点でまた幼い娘の耳への気圧の影響を考えユングフラウの頂上まで登る登山電車をあきらめた。みんなが帰ってくるまで草の上で抱っこしてたら牛に囲まれた!そんな時もあったなあ〜大きくなったものだ・・
世代を超えて、人種を超えて、心と心が触れ合う一瞬がある。荘大な山々に囲まれながら、人間はなんて小さな存在なんだろう…と語り合う。そしてその間に流れる「情緒」の豊かさを思う。
ゼロにリセット。今年はみんなで分かち合う夏休みとなった。