ロイ先生へ、(これは全生掲載)
いつも空に向かって「ロイ先生」と呼びかけます。世界中どこにいても同じこと。
亡くなれられた2014年8月4日、イギリス、ケンブリッジにいた私はトリニテイーカレッジの講堂の片隅にロイ先生がいらっしゃるような、また大空を袴をはいて悠々と闊歩なさっているような姿を感じました。
本当になんというショックだったことでしょう。ユーロトンネルに入る直前東京の妹からの電話で私は一瞬信じられず電話を切ってしまいました。5分ほどしてかけてみてその重大さに気づくとあとはず~っとトンネルの中で固まってしまいました。1時間ほどたちふわあ~とあくびが出たのを覚えています。
なんという哀しみだったことでしょう。
突然失ったものの大きさに唖然として1年がたち、また2年目が立ち、だんだん定着していったロイ先生の存在、そんな気もしています。
子どもたち2人はお腹の中から今までず~っとロイ先生の愉気を受け育ちました。自宅で出産して、そのあともおかげさまで大きな事故も病気もなく現在に至っております。彼らはお腹が痛くても熱が出ても怪我をしても治るものだと体で体験しています。
今後どういう人生をたどっていくのかわかりませんが、人の心がわかる優しさはロイ先生の愉気のおかげだと思います。子育て中40分しか練習できなかった私の体を見て「ちゃんとやってるじゃないですか!」と励ましてくださったのもロイ先生です。
先生がお好きだったバッハの3番のソロソナタを今日最後に弾きます。
ちょうど2013年のお正月に瀬田の道場で弾かせていただきました。
この中のラルゴは昭子夫人のご葬儀でも演奏しました。
穏やかでお優しい笑顔と文章に関してはキリっと引き締まる目つき、よく大声で笑っていた私に「楽しそうですね」と操法を終えて控室を出て来られたロイ先生。自宅が近い事もあり送っていただいた事もありました。
活元運動の輪は私の周りでも広がり、ブリュッセルでも定期的に行っています。
昨年はオランダで西森先生と増田先生にお会いしました。その時「やろうね」と企画した今日の音楽会です。一緒に演奏してくださる安田謙一郎先生、そして岩上杏子さん、江川友梨さん、みな活元運動の仲間です。
少し時間は経ちましたがそれもロイ先生らしいかな?と思いつつ・・
悠久の時を現世でもまたあちらでも過ごされているであろうロイ先生に今日の音楽会をささげたいと思います。
2018年10月8日大阪