ふたつほどいい話!

ニュースを見れば事件ばかり、報道されるのは悪い事のみ・・いつの間にかそんな日常に慣れてしまっている私達だ。

ふたつほどいい話。
ひとつは生徒の推薦文を書いた事へのフィンランド政府の反応。
もうひとつは「ノーカーデー」ブリュッセル市の話。

ひとつ目は推薦文を生徒に頼まれて奨学金申し込みのために書いた時のものだ。職業柄色々な推薦文を頼まれる。その子に応じて書く。
先週の金曜日はフィンランド政府の奨学金の申請をしたいからと頼まれ書いて、印刷してサインしてそれをスキャンして送った。
普通はこれで終わり。
しかしびっくりしたことに今日月曜なんとその担当者から「ありがとうございました、先生。これを添付して申請します」と返事が来たのだ!その子が奨学金取れるかどうかは別として心底驚いた!
当たり前と言えば当たり前、しかし先生業20年近くやっていて初めてのことかもしれない。
フィンランド教育のすばらしさは自発性を尊重する事。お仕着せの勉強ではない事はテレビなどでもよく報道されている。建物の中も自由な空間が多く先生に一任されているカリキュラムも天候によって左右されることもあるという。天気がよかったら外に出よう!
そしてこの「政府」のごく当たり前、人間的行動にこれほど感動するのは他が「あまりにそうでない」状況ばかりだから!

ふたつ目はブリュッセルで昨日日曜日「ノーカーデー」車規制の一日の話だ。
ついおとといまで寒くて雨ばかりだったのとは打って変わって、天からの贈り物の様に澄み渡った秋の空。誰でも外に出たくなるような晴天だ。思い思いに自転車を持ち出し、スケートボードを持ち出し、何しろ坂が多いブリュッセル市内を市民は思う存分走る。長~い下り坂を風を切って走るのはなんと爽快な事だろう。私自身子供の頃お正月の元日だけ車の通りの少ない若葉町2丁目から入間町までの坂を自転車で下ったものだ。その感覚は今でも覚えている。
うちの子供たちももちろん朝からいない。これぞとばかりにブリュッセルを横断し森を駆け抜け・・・つられて犬の散歩がてら出た私もその「匂い」の違いにびっくり。それになんというか「静か」なのだ。車の音が聞こえず静まり返った住宅街には平和な気が満ちている。大通りに出れば馬糞が落ちている。自転車をこいでいる老若男女。さいごにたどりついたバス停の周りは一面芝生が敷き詰められているではないか!「あれ、ここ芝生だっけ」というと娘が「違うよ、ママ、これ今日だけ」見れば6時近くなりそろそろ終わりとその芝生を丸めている姿も見えた。
次の日、今日になるとそれを撤去する車の姿があった。
日常、道路工事も鉄道工事もその期間も長く、あるいは「予算がなくなりました」と途中で止まってしまう事さえある。何をやっても時間がかかる。コンセルバトリーは廃墟に近い?常識では考えられない中途半端さとブラブラブラ~~言い訳ばかりの世界!と普段は苦情ばかりなのだがノーカーデーは毎年行われる。
ブリュッセルという中都市だからできるヨーロッパの良い処かもしれない。
       
                   2017年9月中旬ブリュッセル




ページトップへ戻る ▲