バッハの3…からの空想は続く

ついに今日、練習もシャコンヌに到達したのだが、今年3月、4月に弾いていたのとはまた違うようになった。
3の発見からリズムが回ること、その弾み・・を意識していたら弓使いも違うものになった。
響かないホールで弾くやり方はなるべく弓をたくさん使って音をつなげて行くようにする。
今度弾くホールは残響が多い、弓を切っても十分響きは残る。

そんなことを考えたのかどうかはわからないが、ふと目にすると3種の違った酒器。
なぜ3つ?
そういえば3種の神器も3つ。話変わってKGBのノックも3回。ショスタコービッチはそれを題材にした音楽をたくさん書いた。割り切れない3は2対一になる。子供が3人以上いると社会の縮図というけれどその通りだ。

リズムもそうかもしれない。

シャコンヌは1拍目からではなく2拍目からはじまる。そして西洋音楽の大原理である1拍目、ようするに(小節線)と言うものがある以上、その次の1拍目はどうしても大事なのだ。
これも東洋人のどちらかと言えばメロデイーに重きがある民族旋律から生まれてくる音楽感との違いになる。

となると2拍目からはじまる「シャコンヌ」のリズムに関して言えば、1拍目も2拍目もどちらも大事ということになる。そして4小節目に3拍同等の小節があり、また5小節目から1、2、と強拍。3はなくて附点、弾む音型が再びあり8小節目同等でおわり。これがテーマだ。

シャコンヌと言う舞曲は変奏をしてゆく。だからこのリズムの特徴だっていつもいつもそうでは何のだが、根底に流れる脈拍は変わらない。
と言うよりその大原理があるからこそ各種の変奏が生きる。

少し「とつとつ」とした感じに聞こえるかもしれない。

II部のD-durになるテーマ。これも然り。今まではアルト、あるいはバリトンのような声[どちらかと言えば母性タイプの女声を想像する]を意識して、なるべく続けて弾いていたメロデイーだ。思い切って弓を反対のダウンボウから使ってみた。今まであれほど苦労していた重音、コードの音の「たち」が自然になる。おのずと1拍目はアップボウになるのでどちらかと言えばそこが引き・・になる。これが曲の最初の主題を弾く時との違いになるか・・・
しかしながら2つしかない運弓、ダウンかアップかでだいぶニュアンスも方向性もちがってくるのだ。

学生のころはひたすらそういった「ハンデイー」を克服することを学ぶ。たとえばダウンの弓の先に行ったら音が抜けないように。たとえばアップ弓でもダウンのような音,同等の音質になるように練習する。
なぜならメロデイーを弾く時弓の使い方が聞こえるようではそれが妨げになるからだ!

しかしながら、今書いたようにダウンとアップの役目は違うのだ。
このシャコンヌのテーマのような重大時は考え抜いてあまりある相違だ。

そしてどちらも正解!と言うのが音楽の良いところだなあ~~
クラシックのように何十年も弾いていてもこんな発見ができること、
思いついたことはやってみようと思う。

2012年7月21日 ブリュッセル
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