こんなに近い国なのに!

初めてソウルに来ている。
30年前大韓航空でソウルに着き、それからアンカレッジを経由してヨーロッパに行ったものだ。
韓国人の友達はたくさんいる。あまり会う機会はないが国際コンクールの審査で一緒だったり、またフェスチヴァルで顔を合わせる。
それでも自らが足を踏み入れたのは初めてのことだ。
空港に着く。パリからの所要時間も到着時刻も東京に着くのと変わりない。アジアの少し湿った空気にほっとする。
と見上げると看板、何やら読めそうで全く読めない!
アルファベットが出てきてやっと理解する。

インチョン空港からの道も成田から都心に向かうのと似ている。あるいは九州?の旅をしている感じでもある。渋滞・・・だんだん街の中に入っていくにつれて、ハングル語の看板が多くなる。アルファベットでなければ漢字・日本語と「インプット」されている頭の中で「あれ?わかんない」

わかりそうでわからない。初めての経験だ。
イスラエルのヘブライ語、アラブのアラブ語、これらは初めからお手上げだ。ロシアのロシア語、半分以上はアルファベットと同じ。ギリシャ語が分かればSの違いもわかる。しかしこれだけ顔形もみ目も似ていて全く言語を解せないというのはもどかしい限りだ。

Korean chamber orchestraの人たちはとても暖かく迎えてくれた。
もともと仲の良かったMin Kimに招待されてやってきた今回の旅。

あすはリハーサルの初日。どんな音が出るか、どんな音楽作りを一緒にやっていけるのか、楽しみだ。

時差の中眠れない頭で机の前に座ってこれを書いている。
ふと見るとカレンダー、11月3日、23日には日の丸のしるしが付いている。日本の祝日だ。

思わず心が温まる。

隣の国、音楽を通してまた一つ輪が広がってゆく。

2011年11月19日 ソウル
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