捨てる事の大切さ
東京から中村越子先生がいらして活元会二日行った。場所は我が家。全くもって遠方からみなさん来てくださり私は身体を整えることができるという貴重なチャンスだ。
彼女の話の中で「排泄という事ができるかどうかが老化現象のバロメーター」という言葉があった。これは昨年ロイ先生追悼演奏会後の西森先生宅の活元会で宮坂行子さんがいみじくも言っておられた。
人間捨てることができるうちは元気だと。
またここ数年温暖化の現象が身近でも見たり感じたりすることが多くなり例えば木々は冬には全ての葉を落とし、新しい芽の出るのを待つのだが昨年など古い葉を落とせずに冬を越し、なおかつ新しい葉っぱも出さなければいけないといったエネルギーの停滞、それに伴う負担を追う木々が増えてきているという。
野口整体の考え方では、使えば使うほど腕はたくましく、太く、また繊細になり、守れば守るほど弱くなる・・という。
出すものは出す。捨てるものは捨てる。からっぽになったコップにはまた水を灌ぐことができる。
昨今、頭が痛い、腕が痛い、指の先が・・・等が増え、それに対する対処法ばかりがテクニックのように世にあふれている。このままで行けば苦情を言った方が勝ち!?みたいなことにもなりかねない。
指に力が入らないのはなぜか?首が硬くなっていないか?頭の中がカチカチなのではないか?睡眠の質は?湿気は?身体全体で考える事、それはまさに音楽にも通じる。
いくら全ての音をきちんと出しても、人は感動するものではない。
脈々とある根底の音楽にどう迫るか?は小手先の話ではない事は常日頃言っているつもりだがついつい腕が痛い、ここが弾けない、と言われれば対処療法を教える事が多くなる。
芯をぶれない・・・
その時々の初心に帰る・・とは世阿弥の言葉だが、そういう意味でこの2日間の活元会は身体を緩めるだけではなく態度を改めて見直す良い機会になった。
ありがとうございます。
2019年4月7日ブリュッセルにて