ハッセルト日本庭園、春光その二 太鼓との競演

さて翌日は雨・・・あの桜も数日すると散ってしまうだろう・・
と思いきや一週間経った昨日今度は限定のお客様で太鼓のコンサート付きという催し物が同じ場所で行われた。太鼓は復興コンサートにも出演してくださったグレータとそのグループ。また日本から「梵天」という太鼓、篠笛、箏、琵琶のグループもやってきて劇を上演するという。
天の采配!またお天気のよい中今度はゆっくりと庭園を楽しむことができた。入るとすぐにグレータの大太鼓が聞こえてくる。どこでたたいているのだろうと思うと池のど真ん中、
大太鼓を挟んで二人で向かい合わせになり、一人は落ちそう!と余計な心配するが腹が決まっている彼女たちには何の問題もない。
背景に滝、そして庵、茶室を配するとなかなかお目にかかれるものではない京都のお寺にでも来ているようだ!
道子も少し時間があり今度は彼女の解説付きで回る。
遠くから篠笛の音・・・風流だなあ~
憩い庵では何やら威勢の良い声がする。先回は遠景のみだった襖絵も今日は中に入れ近くで見る事が出来た。そこではみなで踊りのけいこ中。それも盆踊りならぬ魚とり音頭?漕いで漕いで、引いて引いて、ちゃちゃんのちゃ!20名ほどの人たちが学び、さて壁の回りを音楽に合わせて一周します!
皆の楽しそうな事!
それが終わると池の近くでは太鼓が配列され「体験どうぞ」と皆で太鼓初たたき!腕を高く上げか~んといい音を出すのはなかなか難しそうだ。「はっ!」という掛け声も練習、リズムに合わせて指導者4名、体験者10名ほどの大音声が鳴り響く。
隣にいた道子はさっさと加わって最前列でやっている。
そういえば彼女が小さかったころ、盆踊りにひかれ、まちなかでお囃子の音が聞こえるとふらふらと歩いて行ってどこにでも加わったものだった~~今でもその性格は変わってないなあ。
そうこうしているうちに汗ばむほどの太陽も傾きだんだん闇が迫ってくる。藍の時間・・私が一番好きなひと時だ。
茶室では他の照明をすべて消して炉から出てくるやさしい温かな光を撮影中。きれいだなあ~
夜になる。






在ベルギー日本国大使林肇氏も到着され、ハッセルト市長のあいさつもあり、大使からも「桜の花の下皆さまと一緒に多いに楽しみましょう。ハッセルトは27年前にこの庭園を造って以来今まで素晴らしい持続力で庭園の整備、催し物の開催をしてくださっています。まるで日本にいるようです。ありがとう」というご挨拶があった。
確か今日は「和牛ビーフまつり」も7キロ先でやっているはずだ。

夜更けの上演はkojikiとある。まさか乞食ではないよね~などと
思いつつ説明を聞いていると
「古事記」!アマテラスの話だというではないか!
なるほどスサノオとの喧嘩のあと天の岩戸にお隠れになったアマテラスをアメノウズメが踊って踊って、好奇心に駆られてアマテラスが岩戸をちょっとだけ開けてのぞき見したとろをタジカラノオがぐい!と岩戸を開け、高天原に日が戻ってきたという話だ。
要するに日食の話がこんなに夢多く美しく伝えられるところに神話の面白さがある。
そして「太鼓と踊り」七林さんの琵琶と語り、娘さんの篠笛は今日まさにうってつけの演目と言えるだろう。
日本語でみなさん全て理解したかがちょっと疑問だったが七林さんの語りは胸を打つものがあった。そしてグレータをはじめベルギー太鼓団たちも一緒になっての太鼓合奏の迫力ある事!見とれてしまった~~
躍動感、思わず身体が動いて踊りだしたくなるような幸福感。踊りと太鼓という一番原始的な営みの持つ春の勢い。ストラヴィンスキーの「春の祭典」も和太鼓も自然からあふれでるエネルギーだ。
素晴らしい!!
あれだけの体力勝負だと上半身ほとんどなにも着ていなくても寒くないのだろう。待ち時間は気の毒だが・・じっとしている我々観客のまわりにはかがり火が付き始めた。こうやって暖を取る。
庭を出る。
後ろにほのかな灯りが見える。まさに「みやび」の世界だよと道子にまた新しい言葉教えました!

ありがとうございました~~
             2019年3月31日ブリュッセルにて





















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